「錆びたトタン」より/ベンジャミン
一月の風が過ぎ去った頃
空を迷って辿り着いた木の実が
夜を探していました
まだ
日暮れ前の鳥たちが並んで飛んでいる
公園の歩道には誰かが落としたハンカチが
あと少しで浮こうとしています
そうやって音もなく近づいてくる
気配のような香のような
ちょっとくすぐられている端っこに
夜がやってくることを
知っているみたいでした
とても冷たいトタンの上で
転がることもできないでいる
つま先から伝わる悲しみでくるまれた
木の実の中には希望が温められています
いつも気まぐれな時間は
唇をなめる仕草にごまかされていて
それは寂しいという意味でした
月は雲に
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