小さな猫のおはなし/藤鈴呼
が
気になって 仕方ないのに
聞けないのです
そして 仕方の無い 気持ちばかりが
この先 えいえんに
続いて しまいそうで
そっと 目を閉じた
チクチクチク
これが ミシンだったならば
こんなに 痛まぬものを
違うの
痛む記憶も 魅せないで
一気に ガッ と
縫い上げちゃうの
だからね
ギャッ と 叫ぶ時間も
残されては いないんです
ジグザグでも
凸凹でも
あの 轍のように
タイヤが ゆっくりと
埋め込まれたならば
次のステージへ
進めそうな
気がしているんです
いえ 進め、 と
背中を 押してくれるような
そんな気が するんですよ
戻る 編 削 Point(2)