路傍の衛星に/
もっぷ
茜音の空は無情にか去り
ただ闇に佇む自販機よ
自ら輝くだけの箱だ
ひと待ち顔で俯くだけ
哀しいとすら
こぼせないな、おまえは
わたしのようには
ゆかないな
いまわたしは愉快なんだ
その話を聴きたくはないか
一篇のつまらないものを
なにゆえに嬉々としてほら
それでもわたしは愉快なんだ
おまえには、言えないな
わたしに言葉が有ることを
わたしに友が居ることを
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