救世主はやってこない/
ときたまこ
止まらない観覧車は
青に映る先を明けて
僕が嫌いな僕を
この上なく愛すと言う
ヒーローが寝坊したら
明日のラジオは喜んで
君のためだけにある歌を
大音量で流すだろう
その風が揺らげば
傷も少しは痛むだろうと
誰もいなくなった夜に
泣き出す彼女に祝福を
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