Summer Dog/草野大悟2
 
捨てたのは
わたし。

夏休みの
別荘ぐらしがおわる日に。

都会にかえったきみは
わたしと暮らしたことさえ忘れてしまう。

捨てたと思っているわたしに
捨てられた、と気づかないまま。

首に透明な鎖をつけた。
きみが気づかないうちにね。

その鎖は
けっして消えはしないんだよ。

きみが骨になって
墓にはいってもね。

きみの骨は
饐えた獣のあじがする。
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