Summer Dog/
草野大悟2
捨てたのは
わたし。
夏休みの
別荘ぐらしがおわる日に。
都会にかえったきみは
わたしと暮らしたことさえ忘れてしまう。
捨てたと思っているわたしに
捨てられた、と気づかないまま。
首に透明な鎖をつけた。
きみが気づかないうちにね。
その鎖は
けっして消えはしないんだよ。
きみが骨になって
墓にはいってもね。
きみの骨は
饐えた獣のあじがする。
戻る
編
削
Point
(1)