カッコーの家/
島中 充
面器をもって そのまま
どこかへ飛んで行ってしまった
おじいさんとおばあさん 小さな子供が二人残され
一家五人が食べていけなくて
朝のアルバイトは幼稚園のバスの運転手になった
眠たかったから覚せい剤
優しかったおじさんが園児に当たり散らすようになって
覚せい剤中毒で逮捕された
テンプラの裏表を確かめていると
除夜の鐘
金蔵一家の新年は しかたない
成るように
鳴る
戻る
編
削
Point
(2)