生理パンツ/山内緋呂子
東大の赤門で
「ほんとに赤いね」
と言った私を
「ほんとにそんなこと言うんだね。ふつうだね」
と言っていたあなたは
鞄にこそぎ見える
赤いギンガムチェックのショーツを
「こんなにかわいいもの見せてはいけません」
と言ってました
赤いギンガムが かわいいとは それもふつうだ
あれは生理パンツで
洗濯をためてパンツのない私が 今 はいているものであり
椎名林檎の「依存症」を聴くのは 7回目だが
「私はどういたしましょう」
で初めて泣いている夜です。
これもふつうか。
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