妖精のいたずら(だーれも知らないシリーズ5)/森川美咲
 

森にはいない
いるわけがない
馬鹿にするな

風が吹き
光が射して
花が散った
ただそれだけ

森をよく知らないくせに入り込んで
迷うやつは馬鹿だ
しかし俺は違う
馬鹿にするな


そもそもなぜ森を好きになったのか
幼い夢の記憶はいずこ
さびしがり屋の妖精が
拗ねて魔法をかけた
しばらく迷っていきなさい

歩き疲れて眠ったら
思い出してくれるかな
そしたら一緒に
楽しく遊ぼう
弟さんは、元気?

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