恍惚の魚眼/るるりら
ほんとうの話を 書こうか書くまいか
かくまうのはやめて お書きなさいな
夜空に 月ひとつ
鱗雲に埋もれつつ 虹彩を放つ
大地を踏みしめて
月と私は空を挟んで共にある
驟雨の日のかなしみも 雷雨のような憤りも
透徹した まなこで 見ていたものがあるのだと
月は静かに私に語る
カタルシスの竜の まなこ
星霜を隠して 私に云う
飛ぶがよい自らの貝殻骨を開いて
くだけることのない
かなしむことのない虚空に
月と私は
浮くように羽ばたき
漆黒の輝きの中に遊ぶ
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十五夜(9/8)を追想して書きました。
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