地球光/大島武士
が描かれた レーザーディスクを眺めて
過ぎていく時の中に 輝きを感じている
神社に付く頃 鞄の中の
ペットボトルの蓋が緩んで
二つ栞を挟んだ本と
たくさん言葉を書き留めた
ノートを濡らしてしまって
インクは滲んでしまったけれど
ずっとずっと滲んだまんまの
心は少しも悲しくなったりしなかった
疲れた顔した霊長類たちが
争いあって いたわりあっている星の光が
簡単には辿り着けない 月を照らしている
ふとしたときに 僕らの心はさまようけれど
地球光はいつも照らしている
眠りながら 食事をしながら
僕らが動き回っている星の光は
ずっと回っている星の光は
喜んだり 涙を流したり
月にこがれている僕らの星は
ずっとずっと照らしている
簡単には歩けやしない
遠くに見える月の顔の上を
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