散る/こしごえ
宙へむかって手をあわせる
なにをおもうということもない
ただ 手をあわせて
目をつむる
頭をすこし下げてあわせた手に額をくっつける
なぜか
なみだが出て来た
かなしくもないのに
沈黙したままの宙
顔をすこし上げて手を下げてから目をあけると
笑みを浮かべた花が
私を見つめていた
笑みをかえした私
さいごに帰るところは自然という家
その先はわからない
私のこころの大切な部分はどこか
まひしているのだろう
ありがとうございます
という言葉が
浮かび上がった
光に
照らされて濃くなる影が
やがて闇にとける時の
安心したまなざしに似て
終わることが出来る
実るために
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