地には平和を/大島武士
感情を持った人々が
僕のそばを通り過ぎる
川の流れのように 車の流れのように
傷つかないように気を配りあって
気がついた時には人の海の中
グチを言いながら世界を味わう
すべての飢えた子どもたちを思って
ロケットになって 無責任に月まで飛びたい
だけれどやっぱり時間をかけて
みんなで空へと届く
エスカレーターを作りたいけれど
僕は宇宙を一人占めしたいから
そんなことは誰かに任せて
争い溢れる地上にとどまった
バスに乗って 電車に乗って
行きたいところまで一人で行くよ
ノートに言葉を書きとめながら
僕は男で
スローターハウスで働いている訳ではないから
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)