空/itukamitaniji
することしかできない僕は
自分を否定してしまうことでしか 前に進めないみたいだ
そしてまたいつも通り 力なくバスのシートに倒れこんだ
君が隣にいたのなら どんなこと話すんだろうなって
誰かが悪いわけじゃなくて 狂っているのはきっと世界だ
だけどそんな世界で僕は生きている ならば全てを僕が引き受けるよ
誰かの励ましなんて聞きたくなくて
僕は耳をふさいでしまった
そしたら何にも聞こえなくなってしまったんだ
君の声がどんなだったっけって
何も聞こえなくなった空席を ぼんやりと眺めながら思う
今はあの時吐いた言葉さえ 忘れ去ってしまえたらと願っている
あんなに長く悩みぬいて 強く守っていた言葉だったのに
とても素敵な言葉だったのに 言わなきゃよかったなって
そんな風に思ってしまう 自分が大嫌いなんだ
戻る 編 削 Point(2)