ばあちゃんへ/蒼木りん
ばあちゃん
ごめんなさい
1月27日は
あなたの命日でしたね
予想はしていたけれど
やはり
忘れていました
あなたの写真に
水と
ご飯と
花とを
手向けなければいけなかった
想い出したのは
たしか20日ごろ
わたしに
こころの余裕がなかったんですね
ばあちゃん
こころで祈っていいですか
あなたの冥福
西方浄土黄金の神仏の懐へ
やわらかい
あなたの手触りを
憶えている
ここにわたしがいること
届きますか
ときどき
弱いわたしがすがってしまうことを
ごめんなさい
明治 大正 昭和 平成
生き抜いて
お坊さんが言われたとおり
あなたはほんとうに宝でした
あなたのように母のように
乗り越えてゆければと
ゆかなければと思います
家の前の梅の木は
白くてちいさくて
あなたのようです
ばあちゃん
もうすぐ春がめぐって来ます
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