遭遇/きりえしふみ
 
 僕の言葉からか それとも心からか干上がって
 或いは深い地底に沈み込んで
 もう二度とはほんとに笑ったりおどけたり心から手を伸ばしたりする自分には
 僕の時間が追いつかないとすっかり放念していた
 かつて僕の背にも翼はあったのに

 ”とても上手”には羽ばたけなくて
 転けたり 這いつくばってみたりした その痕跡を
 まだ生傷なのだと思い込んで塞ぎ込んだり
 その場でじだばたするだけで
 歩いて行かなかったり

 (それだけじゃ視界は開けてこないのに)

 愚かさに気が付いて
 立ち上がって 歩いてみたら
 そこに また 言葉があった

 僕が嘗て幼くて文字通
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