クマの名前はヘンドリック/オダ カズヒコ
海ならね
アメリカ大陸にタッチして戻ってきてやるよ」
ヘンドリックは自信たっぷりに言った
どうせデマカセだろう
ぼくは彼の横顔を見た
夜中 冷蔵庫の唸る音が聴こえる
ぼくはベットを這い出してキッチンへ向かった
クマがチルド室に頭を突っ込み
中の野菜を漁っている いやヘンドリックが
明かりをパチンとつけると
「何してるんだ!」と怒鳴った
「ビールは?」
ふやけた顔をしてヘンドリックが頭を上げた
「明日にしてくれ!何時だと思ってんだ!アル中かお前は!」
ぼくはプリプリして寝室に戻った
キッチンの床を裸足で踏むたびに思う
そこはとてもひんやりとしていて
そしてジンジンするくらい・・・イタイ
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