サンマ/ういち
ど溜まっていく一方だ。
彼女がしたことにも耐えられるわけではない。
忘れられるはずもない。
フラッシュの光も冗長に見えるほどに、
この循環にはもう飽きた。
私は逃げるしかない。
深緑が心地よい朝。
針が死の匂いを囁いていた。
外に無理やり連れて出されるかもしれない。
でも、それを羨望はしない。
この演技を続けようと思えば続けられる。
囁きは去っていった。
不安なわけではない。
不可能なわけではない。
不穏なわけではない。
不完全なわけではない。
不幸なわけではない。
不自由なわけではない。
とまれかくまれ、
私はこうやって外に飛び出したのだ。
あなたがいる空気の底で、溺れる。
私はこんなにも脆弱だったのだ。
ここで当たり前のように暮らしているなんて。
私はいつになればここで暮らせるようになるだろう?
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