誰そ彼(たそがれ)/望月 ゆき
 
並木道の
みえない、ずっと向こう
から
容赦なくやってきた足音

かんたんには受け入れられない、
決して受け入れちゃいけない、
と わたしは
いつまでも
スカートのすそに
砂のまなざし、

波のカケラ、

ゆらゆらと
からませていた


それは
まだ旅の途中、とでも
いうような


あいまいで
あのひとに、すこし似ていた

戻る   Point(5)