誰そ彼(たそがれ)/
望月 ゆき
並木道の
みえない、ずっと向こう
から
容赦なくやってきた足音
を
かんたんには受け入れられない、
決して受け入れちゃいけない、
と わたしは
いつまでも
スカートのすそに
砂のまなざし、
や
波のカケラ、
を
ゆらゆらと
からませていた
それは
まだ旅の途中、とでも
いうような
あいまいで
あのひとに、すこし似ていた
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