la fin/倉持 ひな
 
色のない砂浜
連鎖する海鳴り

仰向けになったわたしは
ガラス瓶の秘密を抱えて
眠りにつく

冷たい風が頬をなでる
時間が止まって
いつしか感じることもなくしてしまった


色のない空気
連鎖する海鳴り

忘れてしまった産声を
すくいあげるように
夜を待つ

同化することもできない
わたしは何になれるのだろうか


名前を呼ばれた
そんな気がした


佇む空気
分散する体温

爪先から呼吸を忘れていく


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