ナマズ/
salco
マズが泳ぐ空があり
それが高く深く無窮に続いていること
直立二足ナマズが無聊を放つ明滅の点在も
それどころか月と太陽の見分けもつかず
悲観は勿論、一死で絶えぬ危惧も知らない
いつもの兆しを感知した時
ナマズは岩陰にひそんで安穏としていた
流体である水中にさしたる毀損はない筈だ
だが降り注いだナニガシのこと
塵埃や泥濘と流入し沈殿し堆積し浮遊し
飲み食いごとに貯め込む変異と崩壊も
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