シアバタークリーム/藤鈴呼
歩道橋の光が こんなに美しい原因を
二人で考えようか
白く見える 横断歩道の平行線と違わず
意見の相違を迎えず 会話し続けることは
意外と困難で
好きなのに 好きだから 伝わらないと 君は泣く
嘆きたいのは ボクの方だけれど
取りあえず 傾けた耳が くすぐったくなる角度で
君が 囁くから
僕は 笑うしか なくなって
物語のように 進まなくったって 仕方無い
交通渋滞を告げる 信号も
排気ガスばかり吐き続ける マフラー音も
遠くに 逃げて
僕は 君と 二人きり
誰にも ジャマさせない地点で
ただただ 空に 近い場所で
愛を 語り合ったから
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