七年目のグノシエンヌ/もっぷ
{引用=その日ぼくは一人称を失うために身投げした。自我を持たな
い想いだけが純粋であり得るから「得た経験はみな繋がれて
いる、輝けるという常套の科白を盲信し、原石だったぼくは
自らを気前よく穢れた雑巾の為すがままに任せることを選び、
待っていたのはいったいどんな可能性だった」骨へのみちの
りを他者に実行されるその直前に(軽く齧っただけの経験だ
けど狡くて好きにはなれなかった。でもただ救いだったのは
その向こうをまだ知らないことだった。みえないから言葉は
いくらでもつかえたし、さがすことだって容易だった。つい
でにこれは告白だけど好きだったんだ、愛/では/ない/が
)ほんとう
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