すみれの色の手帳から/もっぷ
 

 「アンダーザブリッジ」

ああ
オールを手離されたボートが
河岸を立ち去る
絶対の掟に従うように
角を子羊の群れのごとくに曲がり
オルガンのその音色は
流浪を奏でる




 「セイントおにいさん」

向こうから聴こえる
ラッパの音色は
木口小平か
魂の宿る
誰すらをも
死なすべからず、と




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