瞑想曲/乱太郎
 

タイスの「瞑想曲」が似合う秋
私から枯葉が
虫食い穴があちこちにある私が
落ちていく秋の夜中

もともと智慧の無い思考の葉脈であっても
いまだけはその働きを止めておきたい
聴こえてくるのは
風のせせらぎではない
透明な私の脈拍と私を置き去りにする九月の鼓動

睡魔が私を食い尽くす前に
日常の邪心が私を連れ去る前に
何度でも
許す限りに
この曲に私は瞳を閉じて流木となる

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