昭和六四年の桜花の頃に/もっぷ
意味は逆立ちしても同じ意味をしている
つまり本を逆さから読めばただ読みにくく
もしくは読めないそういう意味で
わたしがたとえ後ろを向いても
その後ろにも世界がある
季節の後ろ姿は淋しみで充ち
追悼の雨はかならず降る
空に種明かしをしてほしい案件だ
けれどあるがままを疑わずに
みることの大切を教えてくれた友人が居て
彼の国ではもうひとびとは
雪をみているもちろんこれは喩えとして
喩えてならば無垢なる食卓を理想しながら
わたしは夢みるように眠りたい
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