雪列車/
藤鈴呼
取り出せば良い
昔の歌を
苛立っても 哀しんでも
戻って来ない タイムカプセルを 眺めながら
トラウマなのだと 君が 言った
音も無く進むレールの向こうには
とてもキレイな雪景色
だけど それは 幻想風景だって 知ってるよ
ラッセル車を 総動員しても
何時間も 走り出せぬ 冬の線路を
僕は 知ってる
車窓が ホワイトアウトして
なんにも 見えぬ ことも
其処には 美しい 過去の情景など
一切 存在しない
風の音だけが 響くんだ
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