十三月の童話/もっぷ
 
岩を打ち砕かんばかりの波の午後
魚たちは眠れないで蒼い夢を食べている
知っているのは砂浜に飾られている白い貝殻だけ
いや、君とわたしもそこに居る

聴こえてくる無限螺旋の慟哭が誘う
二人の想いに重なる涯てへの憧れがみあげる
十七回目の空にとっての唯一の未知それは
永遠が埋葬されている砦へゆくための
地図の在り処をさがす術
わたしたちのだって偽りのなみだではないのに

かつての初夏に君とシャベルで苦労した
二人分の棺となるべき地球の穴は
あまりにこの星が携え過ぎていたので
早々に穴の意志によって塞がれてしまった

ついに岩が粉微塵となった夜
思惟のための灯台が現れ
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