ぼくの歴史も燃えてしまったように思えた/天野茂典
 
して
   火事の予告をくりかえし
   これ以上しつこいと
   警察に届けるといわれたそうだ

   火事は怖い
   まさか自分の家が燃えるなんて
   ぼくの歴史も燃えてしまったように思えた

   この草むらならいい
   ぼくの中の右脳の草むら
   ペンキのように
   火山のように
   血の池地獄に
   燃やすのだ
   
   着火

   右脳はどう応じるだろう



              2005・01・29    

戻る   Point(5)