秋模様を切り取って/即興ゴルコンダ(仮)投稿/こうだたけみ
そのキリトリ線は曖昧だから
うまく切り抜けたためしがない
だけど秋生まれはいつだって
短い季節に恋い焦がれてる
なんて半分は嘘
秋模様を切り取ろうとしたことは
後にも先にも一度しかないから
鱗雲ひろがる高いたかい空に
夕焼け小焼けのオレンジが滲んでく
ちょっと目を離した隙に紫さして
あっという間に濃紺へ沈んでく
息を
止めていたことに気がついて
空気の塊を吐き出した
水中でもないのに息継ぎできないのは
輪郭が、曖昧だからでしょうか
あと少し気温が低くなって
凛とした朝がやってくるその日
もう一度だけキリトリ線さがすから
次はもっとうまく切り抜けられると言って
僕の空席は君が埋めて
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