電池/加藤
毎日買い物へ行って
いつもの道をたどって
一人のお家に帰って来る
どうして毎日同じ道をたどって
同じ場所へともどるのだろう
そこには何があるの
そこじゃなきゃいけないの
そこじゃなくてもいいの
ゆっくり坂道をおりて
風を浴びながら進む
頭の中で思うのは
解決を導き出す理論と
日常の楽しみやむなしさ
ひも解くほど歩数が増えて
足跡もとぎれない
つかむ必要はないけれど
離す力が必要だ
濃くなる毎日に何を見るの?
増える物は置いておいても
時が来れば歩いて行ける
捨てたら二度と
もどって来ないのかもしれない
捨てるを選んでも残すを選んでも
意味はない
選んで来た時間があったから
長く続いて来た
くり返した単語も
しみついた性格も
慣れきった動作も
これからも流れるように続くだろう
風を浴びて坂道をおりるように
風の匂いさえあまり気にせず
進んだ距離の分解決できるように
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