使命/葉leaf
 



役人になった友人がいくらか出世して久しぶりに故郷に帰ってきた。農家を継いだ私は果物などを振る舞って、彼の話をゆっくり聞いていた。短く整えられた髪の下に、昔ながらの親しみやすくよく変わる表情を浮かべて、彼は朗らかに話し始めた。俺もさ、初めは本当に下っ端で、遣いっ走りばっかりやってたんだ。でも最近になって大きな都市計画をまかされてさ、それで自分がどんどん非情になっていくのを感じるようになったんだ。確かにやりがいのある仕事だけれど、その分些細なことをたくさん切り捨てていかなくちゃならなくなった。大きなことをやるためには私情にこだわっていられない。反対する住民だっているけど、俺にはこの都市計画
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