新しい一日/即興ゴルコンダ(仮)投票対象外/こうだたけみ
真っ白なノートの最初のページに
下ろし立ての鉛筆の先を押しつける
一文字も書けなかったとしても
はじまる はじまるよ
べっこう飴をなめながら
濃いめのコーヒーを口に含む
砂糖を切らしたわけじゃないから
それはただの気分だよ
いつもの景色が瑞々しい
水を得た魚たち
気泡が立ち上ってゆくみたいに
私の肌が粟立つ
慌てる必要なんてないから
内側からそっとノックする
するりと入ってきたのは
暖かい光
真っ白なノートの最初のページに
下ろし立ての鉛筆の先を押しつける
一文字も書けなかったとしても
もうはじまっているんだよ
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