傷を隠す/藤鈴呼
昔 泥棒扱いを された
後年になり 真偽を問うも
その時の 思いを
紐解くことは 難しい
やはり その時々で
解決しなければならぬ 問題は
多いのかと 実感した
一つ 皮膚が めくれた
額に 皺が 刻まれた
少しの 苛立ちが 募った
こういう時は 考え方を 180度
転換してみるモンだ
クルクルと回る ブランコに
キコキコ揺られ 考えてみた
恐らく 先方が
何かしらの郷愁に 包まれて
発した台詞 だったのだろう
なんて思うと 少しだけ怒りが
スッと 遠のいて くれるだろうか
その行先に 吹きかけた息が
粋
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