無言歌/
葉leaf
秋の序章に向かって
目次だけが書かれた
決して埋められることない目次は
時間の鎖となって絡まりほどけない
人々は秋の巨大な意味を
道路の交わりの中に見失ってしまったので
夜のビルに灯る明かりも
大気との包み合いを忘れてしまった
いずれ季節は人類から失われるだろう
肌に感じる温度の違いだけが残され
秋は辞書から抹消され
恋愛もただの性欲だけで説明されてしまうだろう
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