ぼくらが旅にでない理由(ゴル投稿)/百均
った。私はその内のきっと後者にあたる人間で、花束を渡してくれた少年は前者に当たる人間だった。私はヘッドホンを外した後、聞いていた音楽を止めた。少年は言った。「一緒に逃げよう」「どうして?」と私は聞き返した。「どうしてじゃない、君の命があぶないんだ、いまならまにあう」「どうして?」「さぁ、急いで、早くしないと憲兵隊が見回りにきてしまう、さぁ、早く」「どうして、あなたは旅人になったの?」
私はついになにも書くことができなかった。夢の中でなら、何かかけるかしら、と一時間だけ眠ってみたけど、なにも思い浮かべることができなかった。私は私の本棚をひっくり返して、今まで読んできた本ぱらぱらとめくってみ
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