邂逅/葉leaf
大学院を出て一般企業に就職したとき、世界の構成が全く変わってしまったかのようで、新しい世界はとても新鮮に私を打ちのめし、また楽しませた。何よりも、アカデミックな世界が間接性の世界であるとするならば、社会は直接性の世界だった。大学院で得た知識は直接誰かの役に立つわけでもないし、実際に社会に反映させていく上でも自らの基礎力を上げるという迂遠な道を通る。それに対して、会社で次から次へと獲得していくスキルや態度は、直接顧客に向けられるし、同僚に向けられるし、仕事に向けられる。社会とじかに接しているのである。それだけではない。大学院では人間関係もまた上下関係をあまり反映していないフラットなものだ
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