189「暁の果て」/一筆
 
一度きり
月は隠れ
闇の中にその眼を見た

答えはなく
沈黙のままに指は触れた

考えることが
なんの意味も持たなくなる

言葉でも心でもない
想いは強く激しかった

唇は
何度その名を叫んだだろう

暁に倒れ
すべてが終わりを告げる頃

君を永遠に失った
戻る   Point(2)