祝祭/kaz.
・祝祭
白い犬がいる。犬は座ったままじっとぼくを見ている。静かな観察だ。
()
ぼくはそれを打ち間違える。そっと立ち上がって、と書かれる。静かな観察は静かな祝祭に変わる。
(白い犬がいる。そっと立ち上がって、静かな祝祭だ。)
犬は歩いていく。どこまでも遠くへ続いている川沿いの道を。静かな祝祭がその道の彼方で行われる。ぼくはそっと立ち上がって、それを絵にしてみる。
(祝祭ではない。祝祭というよりは、坂本龍一だろう。彼の名前を口にしたのは、ぼくが初めてデイケアに行ったときのことだ。好きな音楽は坂本龍一です、とぼくは言った。皆も同じように自分の名前と好きな音楽を紹介したが、その中
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