扇風機の口癖(ゴル投稿)/百均
恵まれない生い立ちから、23になるまで経験した、様々な出会い、音楽、物語、恋愛、最近振られたこと、今大学にいっていないこと、文学なんて全く興味が無かったのに、偶々時間つぶしに立ち寄った古書店で、見つけた本が、男の人生を悪い方向に変えてしまったこと、悪い方向に変えたのを文学のせいにしている自分に嫌気がさしたこと、そんなことを、私に宇宙人しながら、休むことなく話しかけてきた。非常に退屈であったが、その話にでてきた「我輩は猫である」という言葉だけは何故か記憶に残ってしまった。それ以降、私は一人自分の回想に耽る度に我輩をつけるようになった。我輩は扇風機である。なんかいい響だなぁ、と思う度にそう思う。
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