無言歌/葉leaf
秋の早朝に闇が労働している
自然界全体に宛てた命令書を作成しているのだ
到来する秋は恋人のように必ず去っていく
闇は労働のリズムを自然界に分け与えている
街路を歩いているだけで恐怖は降ってくる
恐怖は美麗な曲線を描いて弾け散っては堆積する
社会契約など結んでいないが
ただ社会の駒として生きるだけで恐怖は数えきれない
人々は恐怖の代償を払ってまで愛し合いたかった
秋の早朝に大地が労働している
すべてを正確に支えるという膨大で無言の労働をしている
到来する秋は親たちのように必ず死んでいく
大地は労働により人々の脚へといずれ活力をもたらすだろう
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