今は説明できない世界で 存在しているけど知らない世界について/そよ風
 
テーブルの木の肌触り、
壁にかかった幾何学模様の絵、1.2.3.
ゆっくりと目を開けて
ひとつひとつ現実を手繰り寄せ
もどって来ればいい

今は説明できない世界で
存在しているけど知らない世界は
甘い液体をジワジワとだす
それを口にしたら
君はもう戻れないだろう

今は説明できない世界で
存在しているけど知らない世界の
事は忘れたほうがいい
ページを閉じるタイミングは
とても肝心だ

色褪せた世界で
生き急ぐ必要はない

日々、千円札の数と
100円玉の数を数えていれば
一日はあっという間に
終わるし
正確な数字を伝えれば
「もっともだ」と人は言う
根本的にもっともじゃなくてもだ

もう二度と巡り合う事のない君へ
もしも、今は説明できない世界で
存在しているけど知らない世界の
住民になったとして
鮮明に色づく世界を手にいれても
やがて
色褪せる

世界は輪になり
まわっている

呼吸をしてるこの世界で
目を開けて
走るしかない

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