お日さまの絵/まーつん
 
 真っ白な紙を見て
 僕は、こう考える

 ここでは、
 何にでもなれる
 どんな事でも出来る
 どんな世界にも行ける

 なにかを
 創造するということ
 言葉を通じて

 それが
 僕にとって
 ものを書く価値の
 総てだった

 この手に握った
 インク滴る、ペン先は

 現実の惨めさを
 忘れさせるために
 心に打つ麻薬を仕込んだ
 注射針のようなもの

 それは
 嘘を吐くことなのか
 現実からの逃避なのか
 自分を偽り、他人を騙す
 ということなのか

 多分、すべて
 その通りだろう

 だがそれは、同時に、
 夢
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