広げた手のひら/加藤
目を向けると 気付く
何がほしかったのか?
何を思っていたのか?
希望とたくさんのやさしさが
胸の奥に残っている
そういえばいつから
分からないものが増えて来たんだろう
嫌だと言って聞かなかった
体を曲げて拒んでまで私は何を守りたかったんだろう
守ろうとしたものなんか何もなかった
からっぽの砦を外から囲んで
自分勝手に怯えていた
誰のせいでもない
そういう内心ドロドロと 燃えただれるような音
おかしいのに 止められない
おかしいと思うことはおかしいことじゃない
白い影が通りすぎる
何度も何度も
行く数を数えていくうちに
朝も夜も消えていく
気
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