信念/桂
リブ言わないほうが方が身のためなのかもしれない
乾いた喉を潤そうとジントニックの入ったグラスに手を伸ばした時
緑のテーブルの上に空いた穴に気付く
ためしに人差し指を入れてみるが
指先が底に当たらない
気になってグラスから氷を一つ取り出して穴に落とす
どれだけ時間が経っても底に当たる音は聞こえない
その静けさが先の見えない恐怖に打ち勝つ答え
きな臭いテーブルの上で繰り返される小さな勝ち負け
囚われていても
いずれはハウスに根こそぎ奪われる
確率の下に伏せられた未来の前で
みんなが好き勝手ほざく
いちいち気を取られていたら
自分を忘れて生きることになる
ゆらゆらと揺れ
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