立ち止まる子供/まーつん
今はまだ
やがてその想いは
言葉や歌や、絵となって
二つの世界の間に
渡されるだろう
それは図らずも
己が内に見つけた
使命のようなものだ
胸の檻に巣食って
外の世界へと
羽ばたかずには
いられない翼
他の誰にも
見えない物を
聞こえない声を
伝えようとする欲求
内と外との隔たりを
埋めようとする
意思の源泉
そう、
かつての僕や
あなたのような
立ち止まる子供が
どんな詩人の
中にも居る
今、
草なびく
地平の彼方へと
果てしなく続く道を
前にして
転がらないビー玉は
いつまでも
透き通ったまま
酒臭い息を吐きながら
街の路上に蹲る
あの男の手にも
まだ、
握られたままだ
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