だから僕は時々空を見る/ichirou
砂浜の砂を握りしめ
手を開けば
崩れる砂
崩れた砂を見ると
砂は砂粒と砂粒だった
地球はひとつでも
本当の地球は
個々の人々や生きものたち
一粒一粒の砂粒
この世の中の本当の姿は
点描絵の様に個々の輪郭を持っている隙間だらけの集合体
ものごとを俯瞰して
楽観的に丸めちゃいけない
個々の輪郭を潰しちゃいけない
真面目に厳しく個々を見なければいけない
だけど
本当の姿はそれだけじゃない
たとえば
空
空は
大らかで
やさしく
なめらかだ
僕には空気の粒の輪郭は見えない
だから僕は時々空を見る
大らかで
やさしく
なめらかな気持ちになるために
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