かぼそいしむなしい/平井容子
 
グーグルアースのそこに眠る街の火が見える
かそけき線だ、名づけ親たちはみな
後悔している
野について知らず、またあなたについて知ろうとしない

生っぽい白いシーツが夕暮れても
なぜか不完成なグレイ
杭をうつ
それは地へも至り突き抜け踏みとどまる
だれにもとどかない
濡れた指先のまわりに星形の蠅が憩う

せめて
走っていく電車が見える部屋を借りたら良かった
それくらいしかなかった、窓はそこで終わっている

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