白い鍋の夜/藤鈴呼
 


此処には
白菜の 代わりとなる
透明な ダイヤモンドも

人参の 代わりとなる
紅き ルビーも

モロキューみたいに 爽やかな
エメラルドも ないけれど

くっつりと 寄り添って
温まる 瞬間なんです

古代から 暖を取るなら 火
物事を 水に流せる 海

その代わりに 水炊きをして
はふはふ と 笑いながら
イライラ も 取り除いた事でしょう

音が 分からなくなる
聞き耳を立てる壁が
四方八方で 睨みをきかせ

何処からの 発言なのかが
見渡せなくなった時には

後ろも 振り返らず

見ずに
水入れ
水煮じゃ

じゃじゃじゃ そだなこと言ったって
仕方ないべ と
酌み交わすのは 一升瓶

殴る為の アイテムでは 有りませんよと
舌鼓

あなたの瞳が
いつかの夕陽を 反射して
ルビー以上に 耀くの

戻る   Point(4)