白い鍋の夜/藤鈴呼
此処には
白菜の 代わりとなる
透明な ダイヤモンドも
人参の 代わりとなる
紅き ルビーも
モロキューみたいに 爽やかな
エメラルドも ないけれど
くっつりと 寄り添って
温まる 瞬間なんです
古代から 暖を取るなら 火
物事を 水に流せる 海
その代わりに 水炊きをして
はふはふ と 笑いながら
イライラ も 取り除いた事でしょう
音が 分からなくなる
聞き耳を立てる壁が
四方八方で 睨みをきかせ
何処からの 発言なのかが
見渡せなくなった時には
後ろも 振り返らず
見ずに
水入れ
水煮じゃ
じゃじゃじゃ そだなこと言ったって
仕方ないべ と
酌み交わすのは 一升瓶
殴る為の アイテムでは 有りませんよと
舌鼓
あなたの瞳が
いつかの夕陽を 反射して
ルビー以上に 耀くの
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