刹那/ウデラコウ
夏の終わる瞬間に
暗闇の水平線を横切るように
僕は ただ 只管に
君がさっき見せた
横顔が
見たことないほどきれいだったのは
宵闇のせいか
暑さのせいか
提灯のせいか
言い訳を片っ端からあげても
ずっと ずっと 無視をしてきた
君への想いは
堰を切ったように 溢れ出す
それを 見ないように 気付かないように
珍しく 結い上げた髪の毛の
遅れ毛と 項の コントラストが
僕を 内側から 激しくかき乱すけど
それさえも 無理矢理に 潮風で拭い去りたくて
今までの すべてが
壊れるくらいなら
全部この 暗い夜が もっ
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