無関係/加藤
 

そしらぬ顔で
時間をやりすごした

いくつもいくつも難題につきあたっても
横を向いて これは問題じゃないと思った

窓の向こうはいつも
青くて澄んでゆがみがない
この窓枠と同じ視線で
私はものを見てきたんだ

わかっていることを わからないと思うフリ
知らないことを 知っているフリして

感じちゃいけないという怖さがおそってきて
言葉も出せなくて
後は何が残るというんだろう

何もつながっていない自分 何ともつながれない体があったら
この胸の奥のイライラやおそろしがる気持ちも
どこかにすっと なくなってしまうかもしれないのに

小さく小さく長く
何も知らないと言い切れず
このイライラとつきあっていくんだ
ほうっておいてほしいけど
ほうっておくことができない何か

それは部屋から見える窓の向こうは
ただゆがみのない澄んだ景色とは違うと
今なら少しはわかるから
やっぱり私もほうっておかないでと
さびしさを隠せないままで

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